独立歩兵第21大隊の戦闘                                                           2006年1月作成

独立歩兵第21大隊概史

 各中隊の戦闘記録及び陣地配備図は防衛庁戦史資料室に保管されているもの(歩兵砲中隊 山中明少尉著)を参考とした。しかしながら戦時中の陸軍の用紙に記述されたことにより、すでに字が読み取れない部分がある。また明らかに記憶違い(例えば4月18日から戦闘を開始したという記述など)なども多いが当時の激烈な戦闘下致し方のないことであると察する。確実に違うと断定できる部分については筆者が修正して記載したが、敢えて断定するに至らない部分などについては原文のまま記載した。陣地配備についても不明確な部分もあるが、戦術上妥当と判断して筆者の推定で記載している部分もある点をご配慮願いたい。

独立歩兵第21大隊の部隊歴

 独立歩兵第21大隊は徐州会戦後の昭和14年に独立混成第6旅団隷下部隊として中国山東省で編成された。その後野戦討伐部隊として華北戦線を戦った。

昭和18年 5月 新部隊長西林中佐を迎える。
        6月 独立混成第6旅団解散し、第62師団編成(中支戦線)される。
           部隊長西林中佐以下1400名。
昭和19年 7月 中支戦線より沖縄へ移駐。
            人員1100名(3ヶ月にわたる戦闘で約300名の死傷者を出している)
             連隊砲2、大隊砲2、重機関銃8、重迫撃砲8、擲弾筒20、軽機関銃12
        8月 那覇港着 
           中頭郡泡瀬(具志川市)に駐屯。この際軽機関銃・小銃を全て99式に更新
      12月  島尻郡知念岬に移駐
昭和20年 3月 中頭郡伊祖付近に移駐。人員1170名。
        6月 解散 
沖縄移駐以来、暑熱やマラリヤと戦いつつ全員形相が変化するまで陣地構築に心血を注いだ記述が見られる。

独立歩兵大隊の編成(大隊人員定数1233名)
  大隊本部、歩兵中隊5(中隊人員定数189名)、機関銃中隊1、歩兵砲中隊1からなる。
   歩兵中隊は3個小隊とし、中隊は軽機関銃9、重擲弾筒9を装備
   機関銃中隊は4個小隊とし、中隊は重機関銃8を装備
   歩兵砲中隊は92式歩兵砲2門、41式山砲門を装備






















先に陣地は構築されていたであろうが、独立歩兵第21大隊の編成装備に必ずしも合致した陣地配備ではなかったはずである。実準備期間約1ヶ月。3月20日以降は殆ど活動不能であったことを考えるとあまりに短い時間であった

第62師団隷下独立歩兵大隊の編成装備は左記に同様である